本格的な就職活動を前に、多くの学生がインターンシップなどのプログラムに参加しており、企業研究を開始するタイミングが早まっています。
企業研究の主要ツールである「採用ホームページ」は、就活準備の段階から長期間にわたり閲覧されており、その役割と重要性が増しています。
単に採用情報だけでなく、企業の雰囲気や働き方なども読み取ろうとする学生が増えているようです。
今回は、株式会社キャリタスが2025年卒業予定の全国の大学4年生(理系は大学院修了課程2年生含む)1,030名を対象に行った調査結果から、採用活動における自社サイトの重要性や、学生が採用サイトに何を求めているのかについてご紹介したいと思います。
採用における自社サイトの重要性
学生にとって、企業探しに有益だと思った情報源は「就職情報サイト」(76.3%)が最も多く、次いで「合同企業説明会」(47.6%)となっていますが、「個別企業のホームページ」も5番目に挙げられています。
しかし、志望企業の研究となると、「個別企業のホームページ」が最も有益な情報源として選ばれており、6割強(63.1%)の学生がこれを挙げています。
この結果から、企業について深く調べる際に、採用ホームページが非常に重要な役割を果たしていることがわかります。
実際に、就職活動中に企業の採用ホームページを「かなり目を通した」学生は6割強(67.9%)に上り、大半の学生が高い頻度で閲覧していることが明らかになりました。
また、コーポレートサイトも9割以上(93.4%)の学生が閲覧しており、併せて活用されていることも読み取れます。
さらに、採用ホームページのデザインや情報が古いことによる志望度への影響は大きく、「とても影響する」(26.7%)と「やや影響する」(61.1%)を合わせると9割近く(87.8%)の学生が関心や志望度が下がると回答しています。これは、多くの学生にとって、採用ホームページのデザインや情報の古さが就職志望度にも影響を与えることを示しています。
学生のコメントからは、
「採用に関してあまり重きを置いていないのではないか」
「新卒に対する待遇や社風について不安を感じる」
「採用にあまり力を入れていないという印象」
「時代の変化に追いついていない、採用に力を入れていないと考える」
「情報が更新されないことで、最近の社員の働き方のイメージを掴むことが難しい」
「会社のシステムも古いのではないかと思う」
といった不安やネガティブな印象に繋がっていることがわかります。
採用ホームページは3年生の5月頃から閲覧が増え始め、長期間にわたり利用されています。
このことから、学生が企業研究をしたいと思った時にいつでもアクセスでき、必要な情報を得られる状態であることが求められていると言えます。
企業探しの有益な情報源として、SNS(LINE、X、Instagramなど)を挙げた学生は5.4%でした。また、志望企業の研究においてSNSが有益だと回答した学生も7.6%にとどまっています。
この調査結果からは、企業探しや志望企業の研究といった目的においては、多くの学生は就職情報サイトや個別企業のホームページ、説明会などをより重視しており、SNSの利用率はそれに比べて低いことがわかります。
良い印象を持たれる採用サイトとは
キャリタスの調査では、学生が「良い印象を持った採用ホームページ」についても尋ね、ランキング形式で集計しています。
総合ランキングの上位サイト(ニトリ、NTTドコモ、NTTデータなど)には、共通点が見られました。
仕事内容の具体的な記載
具体的な仕事内容や、実際の業務内容が詳しく書かれていることが評価されています。
多様な先輩社員の紹介
職種別、年次が多様な先輩社員の紹介が豊富であること。
社員の経歴や考え、社員の生の声、様々な社員のエピソードなどが、働くイメージを掴む上で支持されています。
社員紹介の内容が多いことも良い印象に繋がっています。
働くイメージを掴める情報
先輩社員の働き方やキャリアパス、1日のスケジュール、オフィスの写真や動画、職場の雰囲気や社員の活気、活動内容など、自分が働く姿を具体的にイメージできるような工夫が求められています。
キャリアパス、研修制度
キャリアプランの具体例 や、キャリアパスの紹介 など、入社後の成長やキャリア形成に関する情報も重要視されています。
待遇、福利厚生、ワークライフバランス
特に内定承諾の判断時には「待遇、福利厚生、ワークライフバランス」が突出して多く閲覧されており、学生が知りたい情報を明確に示していることが評価されています。
企業理念、トップメッセージ
企業理念やトップメッセージもインターンシップ応募・参加時やES作成・面接前に多く閲覧されています。
企業の信念や、働く上での思いを伝えることも重要です。
事業内容、実績
「事業内容、実績」はどのフェーズでも比較的高く閲覧されています。数値を用いる、過去のプロジェクト事例を載せる…など、分かりやすく表現されていることが好印象に繋がります。
採用コンセプト、求める人物像
ES作成時や面接前に多く閲覧されており、どのような人材を求めているのかが明確であることが評価されています。
企業側の就活生に対する姿勢が伝わることも重要です。
デザインと使いやすさ(UI/UX)
デザインの綺麗さ、見やすさ、情報の探しやすさ、シンプルさ、洗練されていること、色使いやフォント、イラストや図の使用、動画活用 など、サイトのデザインや操作性が良い印象に大きく影響します。
奇抜さや斬新さも、情報が整理されていれば好印象に繋がることがあります。
コンテンツの豊富さと更新頻度
多くのコンテンツが掲載されていることや、情報の更新が早いこと、動画などの更新が多いことも評価されています。
学生に寄り添ったコンテンツ
学生がほしい情報が多く載っていること、選考参加者の疑問に答えるような分かりやすいつくり、学生を安心させるためのQ&A(踏み込んだ質問への回答含む)、選考過程の詳細(過去の選考日程など)など、学生の立場に立った丁寧な情報提供が支持されています。
企業文化・社風の伝達
サイト全体から社風(挑戦を重視する、社会貢献や人を大事にする価値観、新しいことを始める空気感など)や企業メッセージ が伝わることも重要です。
ワクワクする、働くことにポジティブなイメージを持てるといった感情に訴えかける要素も好印象に繋がります。
まとめ
キャリタスの調査から、採用活動における個別企業の採用ホームページは、学生が志望企業を深く研究するための最も重要な情報源であることが改めて明らかになりました。
また、サイトのデザインや情報の鮮度も学生の志望度に大きく影響します。
学生は採用ホームページを通じて、仕事内容や企業の雰囲気、そこで働く人々の様子、キャリアパス、待遇など、入社後の自分を具体的にイメージするための情報を求めています。また、デザインや使いやすさも重要であり、見やすく、必要な情報にアクセスしやすいサイトが高く評価される傾向にあります。
学生に選ばれるためには、採用ホームページに求められる情報を網羅し、それを学生にとって分かりやすく、魅力的かつ最新の情報として発信し続けることが不可欠と言えるでしょう。
採用サイトについて、なにかご要望や不明点、疑問点などありましたらぜひアイサポートまでお気軽にご相談ください。
関連リンク
出典
2025年卒 採用ホームページに関する調査(採用ホームページ好感度ランキング)(2024年7月)
株式会社キャリタス
https://www.career-tasu.co.jp/